耐用年数と保証期間の違いがあるので保証書をあまり信用すると失敗する可能性がある
保証書を見て皆さんが混同しがちなのが、耐用年数と保証期間です。
そもそも耐用年数とは塗替えをしてから、経年劣化によって再び塗替えが必要になるまでの期間となります。
通常、塗膜の劣化は
色褪せ→チョーキング→浮き→剥がれ
となっています。
色褪せと剥がれの期間は数年もの差がありますので、一体どこで塗り替えをするのがいいのかを悩むことが多いでしょう。
どの時点まで耐用させて不必要な早く塗り替えを避けるかということです。
ほとんどの塗料メーカーではチョーキングをひとつの塗り替えの目安としているところが多いようです。
つまり10年持つ塗料の場合は塗り替えて10年間はチョーキングや剥がれは起こりませんよということになります。
これに対して保証期間というのは塗料の品質や塗装工事や作業に問題があって、短期間で塗料がふくれたり、変色したり、最悪、塗膜が剥がれてしまった場合に、施工した業者が無償で補修する期間をいいます。
しかし、塗装工事の保証は数多く問題が起きていることからもわかることですが、とても問題が多いということを予め知っておくことが必要です。
塗装工事は一般の工事と違って塗料が屋根や壁に塗られて初めて価値を持つと言っていい製品です。
したがって、塗膜の異常がわかった場合に塗料そのものが悪いのか、工事の施工側のやり方が悪かったのか、また、下地やその他のものに変化が起こったために起きたことなのかと原因を特定するのがとても困難なのです。
その様な前提に立った上での保証ですので、我々、依頼する側としては原因を特定することがとても困難なのです。
したがって、工事をしてとても短期間で塗膜が剥がれたとしても悪質な業者などはいくらでも言い逃れが可能なのです。
具体的には問題が出てきて、施工業者にクレームを言ってもうちの工事の問題ではないので塗料メーカーに問い合わせてくださいと言われ、塗料メーカーに問い合わせて見ると塗料メーカーは塗料には問題がないので施工業者に問い合わせて下さいといった具合に堂々巡りとなり、保障の意味がまったくなくなってしまうのです。
そもそも塗料メーカーの塗料そのものに対する保証は通常1年となっています。
もし15年の保証をしていて10年で剥がれなどの問題が起こった場合は塗料自体の保証期限が切れているので本来ならば施工業者の保証が有効となり、無償で補修すべきであることは明らかですが、保証範囲内だからと言って全面足場を掛けて無料で工事をやってくれるような業者はおそらくいないでしょう。
ほとんどの施工業者は下地の歪みの問題だから保障の範囲外であるとかいって言い逃れをしてしまいます。
本来は工事を受け持った施工会社が保証書を出した以上、その業者がすべてにおいて責任を持つのが当然なのですが、塗装工事は言い逃れがいくらでも出来るため、ほとんどの施工会社は言い逃れをして責任を回避してしまうのです。
それ故あまりに保証書を信頼しすぎるのも問題だということです。
また、保証期間が長すぎるというのも考えてみるとおかしいと思ったほうがいいかもしれません。
耐久性が高いと言われるフッ素樹脂塗料を塗るのなら10年以上の保証も可能かもしれませんが、ウレタン樹脂塗料やシリコン樹脂塗料で10年もの保証は専門家からすると最初から保障をする気がないと言ってもおかしくないと思料されます。
結果、10年保証を信じて外装塗装の契約をして、塗り替えをしてみたが、2年もすると塗膜が剥がれてしまったので保証してもらおうと電話を掛けてみると既にその業者の電話は使われおらず、業者もすでに存在していないということもよくあるある話です。
このような塗り逃げともいう悪徳業者もいますので、シリコン樹脂塗料やウレタン樹脂塗料の塗り替えで10年物長期保証をするような業者は逆に疑ってみるべきだということです。